沖縄移住に「車は必須」って本当?那覇と郊外の交通事情を現地目線で解説
沖縄への移住を検討する際、多くの方が抱える不安の一つが「車がないと生活できないのでは?」という疑問です。
確かに沖縄は車社会のイメージが強く、実際に自家用車利用率は7割を超えています。
しかし、住む場所やライフスタイルによって、車の必要性は大きく変わってきます。移住後に「思ったより車が必要だった」、「車の維持費が想像以上にかかった」といった後悔をしないためにも、沖縄の交通事情を正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、沖縄移住における現実的な交通手段の選択肢を詳しく解説していきます。
那覇市内なら車なしでも十分生活できる
ゆいレールで生活に必要な場所はほぼカバー
那覇市内で生活するなら、沖縄唯一の鉄道「ゆいレール」があるので車がなくても十分快適に暮らせます。
ゆいレールは那覇空港から浦添市の「てだこ浦西駅」まで19駅を結んでおり、このルート上には生活に必要な機能がほぼ揃っています。県庁前駅周辺には県庁や市役所などの行政機関、デパートリウボウがあり、美栄橋駅・牧志駅周辺には国際通りや第一牧志公設市場といった観光地も含まれています。
おもろまち駅周辺の新都心地区には、サンエー那覇メインプレイスやDFSギャラリアなどの大型商業施設が立ち並び、日常の買い物から特別な買い物まで対応できます。小禄駅周辺にはイオン那覇店もあり、車がなくても生活に困ることはありません。
運行間隔も朝夕のラッシュ時で約4〜7分、日中でも約10分間隔と、本土の地下鉄並みの利便性があります。通勤・通学の時間帯でも、多少混雑はしますが、首都圏ほどではありません。
移住者に嬉しいポイントは、本土で使っていたSuicaやPASMOなどのICカードがそのまま使えることです。移住直後でもスムーズに利用でき、わざわざ新しいカードを作る手間がありません。長期利用する場合は、割引特典がある地元の「OKICA」カードへの切り替えも検討できます。
バスとの組み合わせで行動範囲が広がる
ゆいレールと路線バスを組み合わせれば、行動範囲はさらに広がります。那覇バスターミナルや県庁北口などの主要バス停からは、沖縄本島各地への路線バスが発着しているため、車がなくても県内の観光地や郊外への移動が可能です。
美ら海水族館や古宇利島、今帰仁城跡といった人気スポットにも、バスでアクセスできます。休日の過ごし方の選択肢が豊富なのは、沖縄生活の大きな魅力です。
ただし、昨今の燃料費高騰とバス運転手不足も相まって、バスの路線本数は過去と比べ減少傾向にあります。
移住を検討している地域のバス路線の時刻表などを事前に調べて、アクセスが良いかどうかはしっかりとリサーチしておくことが必要でしょう。2024年4月にバス運賃は値上げされましたが、通学定期については50%割引に拡大され、学生や若い移住者には嬉しい配慮がなされています。
カーシェアサービスで「必要な時だけ車」という選択
那覇市内では、タイムズカー、オリックスカーシェア、三井のカーシェアーズ(旧カレコ)、オリックスカーシェア、dカーシェア、トヨタカーシェアなど複数のカーシェアサービスが展開されており、ゆいレール駅周辺や住宅街にステーションが設置されています。
「普段は公共交通、必要な時だけ車」という使い分けができれば、維持費を大幅に抑えながら車のある生活も楽しめます。
電動キックボードやシェアサイクルサービスも充実しており、移住後の移動手段の選択肢がさらに広がっています。電動キックボードはLimeやLUUPなどのサービスが利用でき、シェアサイクルについては株式会社プロトソリューションが運営するCYCYや、株式会社ドコモ・バイクシェアのちゅらチャリなど複数のサービスから選べます。
「ゆいレールで主要駅まで行き、そこから目的地まではシェアサイクル」という組み合わせも現実的で、短距離の移動がより便利になります。これらの新しい移動手段により、車を持たない生活の選択肢が大幅に広がっています。
自転車生活という選択肢
那覇市内の平坦なエリアなら、自転車での移動も快適です。特に職場がゆいレール沿線にあり、通勤・通学距離が5km以内という生活パターンの方には、自転車が最適な移動手段となるでしょう。
沖縄は年中温暖で雨の日以外は自転車に適した気候のため、電動アシスト自転車があれば坂道も苦になりません。朝の通勤で海風を感じたり、夕方に夕日を眺めながら帰宅したりと、沖縄ならではの贅沢な通勤体験ができるのも魅力です。
郊外エリアでは車があると安心
一方で、那覇市外のエリアで暮らす場合は、車の必要性が格段に高くなります。
リゾートエリアで暮らす場合
恩納村・読谷村・北谷町といったリゾート地は、美しいビーチが魅力的な反面、公共交通が限られています。最寄りのバス停まで徒歩20分以上かかることも珍しくなく、大型ショッピングセンターへの買い物や病院への通院には車が欠かせません。
特に子育て世帯の場合、保育園や学校への送迎、習い事への移動を考えると、車なしでの生活は現実的ではないでしょう。しかし、これらのエリアに住む魅力があります。目の前に広がるエメラルドグリーンの海、充実したマリンアクティビティ、リゾート施設での優雅な時間を日常的に楽しめることを考えれば、車の維持費は安いものかもしれません。
中部・南部エリアの住環境
うるま市・沖縄市エリアはファミリー層に人気ですが、鉄道がないため車通勤が一般的です。那覇方面への通勤では朝夕の渋滞に巻き込まれることも多く、通勤時間の読みにくさがデメリットとして挙げられます。ただし、路線バスも運行されているため、時間に余裕があれば公共交通での通勤も不可能ではありません。
糸満市・南城市エリアは自然豊かで子育てに理想的な環境ですが、日常の買い物や病院への移動には車が必要です。特に南城市の奥武島や知念岬周辺では、車がないと非常に不便な生活を強いられることになります。
車を持つ場合の現実的なコスト
車を所有する場合、月額3〜6万円程度の維持費が必要になります。詳細な内訳は以下の通りです。
駐車場代
- 那覇市内:月5,000〜15,000円
- 郊外:月3,000〜8,000円
その他の費用
- ガソリン代:月1〜2万円(通勤距離による)
- 自動車保険:月5,000〜15,000円
- 車検・メンテナンス:月約8,000円(月割り計算)
- 自動車税等:月約3,000〜5,000円(月割り計算)
これらを合計すると、車を持つことで月3〜6万円の固定費が発生することになります。年間では36〜72万円という大きな出費になるため、移住前にしっかりと予算に組み込んでおく必要があります。
段階的なアプローチがおすすめ
移住直後から車を購入する必要はありません。以下のような段階的なアプローチがおすすめです。
移住初期(1ヶ月程度):家具家財を揃えたり役所への届け出など移動が多い時期はレンタカー・カーシェアで実際の生活における車の必要性を体感
生活が落ち着いた頃:日常的にはカーシェアをスポット利用して必要頻度を把握
1ヶ月以降:本当に必要と判断できたら車の購入を検討
この方法なら、移住初期の慌ただしい時期を乗り切った後、実際の生活パターンを把握してから投資できるため、無駄な出費を避けることができます。「車を買ったけど思ったより使わなかった」「維持費で家計が圧迫された」といった失敗を防げるでしょう。
自分に合った交通手段を選ぶポイント
沖縄移住で大切なのは、「車必須」という思い込みにとらわれず、自分のライフスタイルに合った選択をすることです。
車なしでも快適に暮らせる人の特徴
- 那覇市内中心部に住む予定
- 単身者または共働き世帯
- 公共交通や自転車の利用に抵抗がない
- アクティブに行動することを苦にしない
実際に、このような生活スタイルを送っている移住者からは「車の維持費がない分、趣味や旅行にお金を使えて充実している」「通勤時間を読書や音楽鑑賞の時間にできて有意義」といった声が聞かれます。
車があると安心な人の特徴
- 郊外エリアに住む予定
- 子育て世帯や高齢者がいる世帯
- 仕事で県内各地への移動が多い
- 緊急時の対応を重視する
特に子育て中の家庭では、急な発熱での病院受診や習い事の送迎、大型店舗での買い物など、車の恩恵を感じる場面が多々あります。安心・安全を重視するなら、多少のコストをかけても車を持つ価値があるでしょう。
まとめ
沖縄移住における交通手段の選択は、移住成功の重要な要素の一つです。「車がないと生活できない」という固定観念にとらわれず、住む場所とライフスタイルに応じて柔軟に判断することが大切です。
那覇市内であれば車なしでも十分快適に生活できる環境が整っており、郊外でも計画的にカーシェアなどを活用すれば車の維持費を抑えながら豊かな生活を送ることができます。
大切なのは、移住前にしっかりとリサーチを行い、自分にとって最適な選択肢を見つけることです。交通手段の選択が、あなたの理想的な沖縄ライフを支える基盤となることを願っています。
移住後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、交通事情について十分に検討し、無理のない移住計画を立てることをおすすめします。沖縄の美しい自然環境と温暖な気候、そしてゆったりとした時間の流れを存分に楽しみながら、ストレスの少ない移動手段を選択して、充実した沖縄生活を実現してください。
ウェビナーのお知らせ

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<ウェビナー概要①>
【開催日】 :9月21日(日)【日時】 :9:00〜10:00
【対象者】 :沖縄県へのUIターン転職を検討している方
【費用】 :無料
【開催形式】:Google meet
<ウェビナー概要②>
【開催日】 :10月4日(土)【日時】 :9:00〜10:00
【対象者】 :沖縄県へのUIターン転職を検討している方
【費用】 :無料
【開催形式】:Google meet