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こんにちは!
株式会社レキサン(リージョナルキャリア沖縄)の玉城です。

全国的にデジタル化やDXという言葉が社会で当たり前に使われるようになりました。独立行政法人情報処理推進機構によると、何らかの形でDXに取り組んでいる企業は77.8%となり、2022年の69.3%と比較すると、DXが企業に浸透しつつあることが分かります。

その中で沖縄でもDXに取り組む企業は増えています。弊社が日々接している沖縄県内企業では、経営側が危機感を持って改善に取り組んでおり、それに伴い社内SEの求人の質も変わってきています。

以前からよくあった社内SEは「守り」のイメージで、ヘルプデスク、IT資産の管理、ベンダーコントロール等が主な業務でした。しかし現在では、積極的に社内の課題を洗い出しを行ったり、売上や利益向上に向けて構造自体を変化させるような、いわゆる「攻め」の役割を担うようになりました。

この変化により、社内SEの役割の重要度と業務の難易度が上がったことで、待遇もアップしています。中には首都圏とあまり差がないような求人も生まれており、IT領域において沖縄でキャリアを伸ばす有力な選択肢となっています。

本記事では、なぜ今社内SEなのかを期待する価値とキャリアパスの観点からお話しし、実際の転職の具体例もご紹介します。最後にいくつか社内SEの求人をご紹介します。

社内SEの価値の変化

以前は、開発実務やIT課題の洗い出し、業務改善のコンサルティングなどを外注でカバーするのが一般的でした。しかし現在は、部分的なIT利用ではなく、経営戦略とITが不可分な関係となったことで、ITの重要度と求められるスピードが大きく変化しています。

その結果、経営側の意思を理解し、スピード感をもって対応することが求められるようになりました。

このような状況では外注だけでは対応しきれず、社内において戦略を構築し、継続的に対応できるIT専門家を置くことが必要となっています。

Web関連企業においては、ITリテラシーの高さや社内エンジニア確保の環境が整っているため、ITの活用は比較的当たり前となっています。

しかし、近年第一次産業や第二次産業の領域においても、このような役割が必要であると認識され始めています。一般的にこういった業種では社内のITリテラシーも高くないため、全社的にプロジェクトを推し進める難易度も比較的高くなっています。

守りから攻めへ、上流だけでなくプロジェクトの推進や開発の実装まで理解するなど、求められる質が変化したことで社内SEの価値も上がりました。企業にとってこの領域で実績や経験値のある人材の採用は難易度が非常に高く、とくに沖縄県内では採用では簡単ではありません。

そのため、ポテンシャル層も含めた人材獲得の取り組みが進められています。

経営が社内SEに期待している

企業内の現場では、具体的にどのような価値を発揮することが期待されているのでしょうか。

これまでも、ヘルプデスク対応やIT資産の管理、ITによるコスト削減といった役割は求められてきました。しかし今後は、より高度な価値創出が期待されています。

経営に近い立ち位置で戦略立案から関わり、業務改善によってコストを下げるだけでなく、顧客体験の向上など新たな価値を生み出す取り組みも求められます。さらに、社内にとどまらず社外に対しても価値を提供することが期待されています。

こうした役割の変化により、社内SEは事業に与えるインパクトによって評価される職種へと変わってきました。以前は、企業内におけるIT関連職種は「担当」というイメージが強かったのに対し、現在では経営において重要な役割を担う職種へと進化しているのです。

社内SEのキャリアパス

では、企業内での具体的なキャリアステップにはどのようなものがあるのでしょうか。

キャリアのスタート地点からいきなり経営に近い立場で重要な役割を担うポジションに就くケースも一部にはありますが、多くの場合は担当レベルの情報システムのポジションから始まります。そこで基礎的な業務知識やスキルを段階的に身につけ、経験を積むことで、数年後には企画立案やプロジェクト推進といったより上流の役割へとステップアップしていく道が開かれていきます。

さらに、規模の大きい企業であれば、システム開発の実務を専門的に担うポジションや、要件定義や設計といった上流工程を専門的に担当するポジションなど、多様なキャリアの選択肢が用意されている場合もあります。

このように、IT部門のキャリアは単に責任や裁量、専門性の低い役割で終わるわけではありません。段階を踏みながら成長し、奥行きのあるキャリアを描くことが可能です。将来的には、経営戦略と直結する重要な役割を担い、企業全体に大きな影響を与える存在になることも期待されています。

こうした多様な選択肢があることで、中長期的な成長像を描きやすく、自らのキャリアを主体的に意思決定しやすい環境があると言えます。

 

沖縄県内の採用成功事例と、企業の現在課題と求められる役割の例

ここでは、沖縄県内の企業がどのような課題を抱え、それを採用によってどのように克服してきたのか、実際の具体例を交えてご説明します。

A社(金融系企業)- DX推進で経営課題を解決

A社は金融系の企業で、経営陣の一人が強い関心をIT分野に持ち、経営課題の解決手段としてDXを積極的に推進しようと考えていました。DXを実現することで、単なる業務効率化にとどまらず、顧客体験の改善や新たなサービス価値の創出につなげたいという強い意図があったのです。

過去にもSIer出身の人材を採用した経験がありましたが、その人材は社内システムの構築や運用に多くの時間を割かざるを得ず、会社がこれから取り組みたい戦略的な領域まで十分にリソースを振り向けることができませんでした。こうした状況から、既存の人材を補完し、プロジェクト全体を俯瞰して推進できる能力や、経営課題を発見・整理し解決策に落とし込む力を持つ人材をもう一人採用する必要があると判断されたのです。つまり、システム開発のスキルに加えてマネジメントや戦略的思考を兼ね備えた、より高次の役割を担える人材が求められたのです。

ただし、そのような人材はSIerにおけるスキルセットだとプロジェクトマネージャーレベルに相当するため、採用は決して容易ではありませんでした。A社は時間をかけて候補者探索を行い、最終的には人材紹介会社である私たちを通じて、大手SIerで豊富な経験を積み、数多くの案件を成功に導いてきたプロジェクトマネージャーを採用することに成功しました。

新たに迎え入れた人材は、入社後すぐにSFA(営業支援システム)の導入プロジェクトを主導し、営業部門の業務改善や情報共有体制の整備に取り組みました。その成果は早期に表れ、一定の成功を収めたことから、本人は短期間で昇進を果たしています。さらに現在は、会社の中長期的な目標である「既存事業をDXによって進化させ、顧客に提供する価値を一層高める」という取り組みの中心的役割を担っており、経営陣と共に新たな成長シナリオを描きながら事業推進に携わっています。

B社(物流業)- 歴史ある企業のデジタル化推進

B社は、沖縄県内で古くから物流を担ってきた歴史ある企業です。沖縄のインフラと言っても過言ではなく、地域において非常に重要な役割を果たしています。以前からデジタル化による業務効率の向上を検討されていましたが、近年こうした課題がより明確になり、外部から人材を採用する動きにつながりました。

いまだ紙による業務が多いだけでなく、システムの活用においても、ローコード・ノーコードでのシステム構築や、業務効率化のための既存システムの適切な運用が求められています。そこで、まずは中心となる人材としてSIer出身の方を採用されました。それによりひとまずスタートを切ることができ、今後はさらに多くの人材を獲得し、チームとして独立した裁量を持てる体制の構築を目標としています。

今後の採用対象者としては、SIerで開発実務を担っている方だけでなく、企業内で例えばGASなどを使って業務効率化を推進していたり、Access等を用いてデータを整理・管理・分析の知識・経験がある方を求めていらっしゃいます。

C社(金融業)- サービスDX化の加速

C社は金融業を担っている会社で、生活を支えるサービスを提供しています。数年前にサービスをDX化する決断を下し、システムだけでなく人材への大きな投資をしてきました。主には、サービス利用者への手続き関連のやり取りを紙からデータへ移行することで大幅な業務効率化を生み出し、スピードの面で顧客体験の変革も成し遂げました。今後は、さらにこの動きを加速させるべくDX推進チームの体制を整えるため追加の採用を行う動きを見せています。

D社(建設エンジニアリング業)- 経営高度化とDX推進

D社は、沖縄で建設エンジニアリング業を中心に、通信や設備分野におけるエンジニアリング事業も展開している企業です。創業から60年以上の歴史を持つ老舗企業であり、近年では上場企業やグローバル企業との連携を進めることで、経営の高度化を実現してきました。

経営に近いポジションにおいては外部から優秀な人材を積極的に採用しており、そういった人材が活躍するにつれて、デジタル化やDXをさらに推進する必要性が明確になってきました。現在は、経営と連携しながらDXを主導できる人材の採用を進めています。

求められる役割は、現場の状況を観察して課題を整理し、経営戦略とのすり合わせを行いながら現状とのギャップを明確化し、そのギャップを埋めるために必要な施策を企画し、実際に実行していくことです。単なる企画立案にとどまらず、課題解決の実行まで担えることが期待されています。会社としても今回のポジションに寄せる期待は非常に大きく、将来的には部署全体を管轄し、経営に近い立場で活躍することが想定されています。

E社(建設業・宿泊業グループ)- グループ全体のDX推進

E社は、建設業と宿泊業で構成されるグループの一員です。グループ全体としては、数年後に大幅な利益拡大を実現することを目標としています。建設業も宿泊業も、従業員数の増加が売上拡大に直結しやすい業種であるため、採用は非常に重要な課題となっています。

しかし、採用難の状況が続いており、必要な人材を十分に確保することは容易ではありません。そこでグループでは、人員の増加に依存せず、業務の効率化を図ることで、従業員が本来集中すべき業務に注力できる体制を整え、利益率の向上を目指す方針を打ち出しました。その一環として、グループ全体でDXを推進するための専任チームを立ち上げることを決定し、新たにグループ内で会社を設立しました。

責任者クラスおよびリーダークラスの採用にはすでに成功しており、現在は業務も順調に進んでいます。まだ各グループ企業との関わりは浅いものの、今後は連携を深め、より実践的なサポートやコンサルティング、さらにはプロジェクト推進を行いながら、自社の人員も拡充し、段階的に組織規模を拡大していく計画です。

今後はチームの案件対応状況やプロジェクトの進み具合をみながらリーダークラスとメンバークラスの両方の採用を進めていく想定です。リーダークラスにおいては開発実務の経験に加えて、上流工程でのヒアリングや要件定義の経験も求められています。一方、メンバークラスにおいてはまずITリテラシーの高さを重視し、デジタル化やDX推進に関わる業務については、入社後に習得してもらうことを想定しています。

社内SEの会社の選び方

このように、沖縄県内でもDXを担う重要なポジションが増えてきています。では、求職者の立場からこれらの求人を見るときに、どのような点を重視して選ぶべきなのでしょうか。

まず一つ目は、経営側のコミットメントです。
経営がDXに本気で取り組む意思を持っていなければ、全社的なプロジェクトとして推進するのは難しくなります。

次に大切なのは、経営からどの程度のサポートが得られるのかという点です。
経営が強い意志を持っていても、プロジェクト担当者に丸投げされてしまっては、舵取りの難易度が高まり、成果を出すことが難しくなります。実際にどれだけバックアップしてくれるのかを見極めることが重要です。

三つ目は、与えられる権限の範囲です。
求められる成果に対して適切な権限が与えられていなければ、十分な成果を上げることは困難です。

さらに、入社後のステップアップの観点も大切です。たとえスタート時点では担当者レベルの役割であっても、将来的にどのような役割を担えるのか、その成長の道筋を見極めておくことが、長期的なキャリア形成につながります。

 

沖縄の社内SE求人のご案内

沖縄における社内SEの求人情報をご紹介いたします。

現在、沖縄エリアでは複数の魅力的な社内SE求人が募集されています。まず、琉球海運では社内SEのポジションを募集しており、物流業界でのシステム運用・管理業務に携わることができます。

また、建設業界では某建設企業においてDX推進マネジメント職を募集しています。デジタルトランスフォーメーションの推進役として、建設業界の業務効率化や技術革新に貢献できるポジションです。

その他にも魅力的な求人が複数あります。建設業と宿泊業から構成されるグループ企業では、DX推進チームのメンバーを募集しており、複数の事業分野にまたがるデジタル化プロジェクトに参画できる機会となっています。
金融系企業では、DX推進拠点の責任者ポジションを募集しており、組織のデジタル変革を主導する重要な役割を担うことができます。

さらに、急成長を続ける福祉系サービス企業では、社内SE責任者クラスの募集があり、拡大するビジネスを支えるITインフラの構築・運用を統括する責任ある立場での活躍が期待されます。
これらの求人は、沖縄でキャリアアップを目指すIT人材にとって、多様な業界での経験を積める貴重な機会となっています。

■琉球海運 社内SEの求人情報

■某建設業 DX推進マネジメントの求人情報

 

社内SEやDX推進にチャレンジしたい方を応援します

いかがでしたでしょうか?

今回は、沖縄の企業におけるDXの取り組みや、そこで活躍が期待される人材像について事例を交えながらご紹介しました。

単にシステムを導入したり開発を担当するだけではなく、経営と現場をつなぎ、課題を見つけて整理し、解決に向けてプロジェクトを前に進めていくような役割が、これからのDXポジションには求められています。

記事の中では「経営のコミットメントがあるか」「サポート体制は整っているか」「どの程度の権限が与えられるのか」「入社後にどんなキャリアステップを描けるのか」といった、転職先を選ぶ上で大切な視点もお伝えしました。

これから事業会社でのDXポジションを目指したい方や、SIerから事業会社の社内SEへキャリアを広げたいと考えている方にとって、少しでも参考になればうれしいです。

DX人材への期待はますます高まっていますので、ぜひご自身のキャリアを考えるヒントにしていただければ幸いです。

合わせて読みたい

ウェビナーのお知らせ

レキサンでは、沖縄での転職を考えている方向けに、『沖縄で働くって何から始めたらいい?〜沖縄県でのキャリアの探し方とUIターンの実例紹介〜』というテーマでオンラインウェビナーを開催します。 沖縄にUIターンされた方のインタビュー動画をもとに、5つのセクションに分けてUIターン転職の流れや転職市場の動向などを解説していきます。

<ウェビナー概要①>

【開催日】 :10月4日(土)
【日時】  :9:00〜10:00
【対象者】 :沖縄県へのUIターン転職を検討している方
【費用】  :無料
【開催形式】:Google meet

<ウェビナー概要②>

【開催日】 :10月18日(土)
【日時】  :9:00〜10:00
【対象者】 :沖縄県へのUIターン転職を検討している方
【費用】  :無料
【開催形式】:Google meet
※当日ご参加いただけない場合でもアーカイブ配信をご用意しております。(当日分ではなく、過去の収録による動画の可能性もあります。) ※ウェビナーでは2024年に決定した最新の転職者事例もご紹介いたします。

<開催方法>

■オンラインウェビナー ※本ウェビナーはGoogle meetで実施します。Googleアカウントがなくても参加可能です。詳しくは、以下のリンクよりご確認ください。

<こんな方にお届けしたいウェビナーです>

「WEB検索では見つけられない沖縄本社の魅力的な企業や求人を知りたい」 「公開されていないハイクラス求人へのアクセス方法が知りたい」 「都市部でキャリアを積んだUIターン転職者の実例が知りたい」 本ウェビナーは、このような疑問や不安を解消し、UIターン転職を検討をするための情報収集の場になればと考えております。

<注意事項>

※本ウェビナーの受付は、当日の開始時間1時間前を締め切りとさせていただきます。 ※同業他社様の参加はご遠慮くださいますようお願いいたします。

<参加・申し込みフォーム>

   
【開催日】 :①10月4日(土)②10月18日(土)
【日時】  :9:00〜10:00
【対象者】 :沖縄県へのUIターン転職を検討している方
【費用】  :無料
【開催形式】:Google meet
玉城 良樹 Tamashiro Yoshiki
コンサルタント
沖縄県糸満市生まれ。県内大学卒業後、中国へ(北京外語大学→西安交通大学)帰国後は東京で就職。IT企業にて営業職として従事。沖縄へUターン後、ベンチャー企業を経て、株式会社レキサンへ入社。現在はIT企業専門担当として活躍中。インドア派だが、たまに自然豊かな場所へ行きエネルギーチャージしている。

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