【2025年最新版】沖縄観光業界の最新トレンドと注目プロジェクト|ジャングリア開業でどう変わる?
こんにちは!レキサンスタッフです。
沖縄の観光産業はコロナ禍から劇的な回復を果たし、2025年現在では新たなフェーズを迎えています。入域観光客数は回復基調にあり、国内外からの注目も集まる中、観光産業におけるビジネスやキャリアの機会も大きく広がっています。
本記事では、弊社コンサルタントの又吉監修のもと、業界の最新状況と注目のプロジェクト、さらに中長期的な展望やキャリアチャンスを分かりやすく整理しました。
沖縄観光業界の現状と最新の課題
最新の観光客数と収入動向
沖縄県の観光産業は、コロナ禍からの力強い回復を続けています。2023年度(令和5年度)の入域観光客数は853万2,600人となり、前年度比で25.9%の大幅な増加を記録しました。これは、コロナ禍前のピークである2018年度~2019年度と比較すると、約85%から90%まで回復したといえます。
さらに、2024年度(令和6年度)の入域観光客数は995万2,700人となり、過去2番目の実績を記録しました 。**特に国内観光客は、**2024年でコロナ禍前の水準を上回り、過去最高を記録しています。
2025年に入ってもこの回復基調は続いており、2025年4月の入域観光客数は88万2,700人で、4月としては過去最高を更新し、このうち外国人観光客は26万1,800人(前年同月比64.8%増)と大幅な回復を見せました。
ただし国内観光客の一人当たり消費額は減少傾向にあり、2023年度には101,530円と前年に比べて2.3%減少しています。この要因は、全国旅行支援の終了や物価上昇、安価なパッケージ旅行の増加などと考えられています。
対照的に、外国人観光客(空路)は平均111,605円と大きく伸び、2019年比でも20%以上増加しました。
観光収入全体でも、2023年度は8,507億円と過去最高を記録し、2024年度の県の目標額は8,987億円、2025年度はついに1兆円の大台突破が掲げられています。
「オーバーツーリズム」問題への対策
一方で、観光客の回復に伴い、地域によっては“受け入れの限界”も顕在化しています。那覇や首里城周辺では、交通渋滞が救急車の走行に支障をきたす事例もあり、県はオーバーツーリズム対策として、地域・時間帯の分散化を掲げています。
具体策としては、
- 西表島 1日1,200人の入域制限、
- 竹富町の訪問税条例の成立(1人1回当たり1,000円 2026年度中の徴収開始)
- モビリティサービスの再設計、公共交通の拡充、レンタカー拠点の分散
- 訪問動態のデータ可視化
などが挙げられます。県の観光戦略は「人泊数(のべ宿泊者数)」と「消費単価」の最大化を掲げており、「観光客数の追求」から「質への転換」へと舵を切っています。
観光人材の不足とスキル転換
急回復の一方で、観光業界の人材不足は深刻です。日本銀行那覇支店の調査でも、人手不足と回答する企業は増加傾向にあり , 宿泊施設においては稼働率を抑えて運営せざるを得ない状況も見られます。その背景には長時間労働や賃金水準の低さ、コロナ禍での離職があります。
そんな中、沖縄県では「観光人材マッチング支援事業」や「観光事業者収益力向上サポート事業」を通じて、インターン受け入れや職場見学、広報活動、省人化設備投資などを支援しています。
さらに、OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)では人材研修プラットフォーム「育人(はぐんちゅ)」を展開し、外国語、DX、マナー、CS向上などの研修を広げています。
今後は単なる人手の確保ではなく、データ活用・マーケティング・マネジメントなどに強い「ミドル〜ハイクラス人材」へのニーズが高まると見られています。
[参照:沖縄県『令和5年度の観光収入【試算値】』、琉球新報、沖縄県観光産業実態調査『令和4年度通期報告書』]
ジャングリアを中心とした最新注目プロジェクト
ジャングリア沖縄の開業とその影響
2025年7月に沖縄本島北部の今帰仁村に開業する「ジャングリア沖縄」は、自然と融合した新しい大型テーマパークです。
この施設の影響は経済効果と雇用創出への期待も非常に大きく、関西大学の宮本勝浩名誉教授らの分析によると、開園後15年間の経済波及効果は、約6兆8,080億円に達し、雇用創出は約88万1,531人に上ると推計されています。平年度1年目だけでも、約3,153億円の経済効果と4万472人の雇用創出が見込まれており、沖縄経済の新たな牽引役となる可能性を秘めています 。
また、ジャパンエンターテイメントと地元の名桜大学、立命館アジア太平洋大学が連携し、高度観光人材の育成にも注力しています。運営面では、地元企業との連携によるサプライチェーン強化や、地域雇用の創出も図られています。
ただし、北部地域への観光集中による交通渋滞や、自然環境への負荷増大といったオーバーツーリズムも現実的な課題です。持続可能な運営のためには、観光客の受け入れ能力や、地域住民との共生を前提とした柔軟なマネジメントが求められます。
沖縄の観光インフラ整備
沖縄本島では、ジャングリアのような大規模なテーマパークやリゾート開発に加え、観光インフラの機能強化も進められています。その中心となるのが、那覇空港の機能強化です。
那覇空港では、2020年3月26日から第二滑走路の供用が開始され、これに先立ち同年1月15日からは新管制塔の運用も始まっています。これにより、航空機の離着陸能力が向上し、国際線の増便や新規就航を物理的に支える基盤が強化されました。
観光施設の開発動向
文化財を中核とした観光拠点形成の推進も行われています。日本遺産認定地域や歴史文化基本構想策定地域において、文化財の一体的整備や、適切な周期での修理・美装化、分かりやすい解説の充実など、個々の文化財の観光資源としての魅力を向上させる取り組みが支援されています。
また、国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」へと磨き上げるため、ICTを活用した情報提供、ガイド等の育成、上質な宿泊施設・滞在施設の誘致、ビジターセンターの再整備、展望地や自然歩道等のビューポイントの整備なども進められています 。
沖縄市「東部海浜開発計画(潮乃森)」
都市型観光施設や海上リゾートなど、新しい取り組みも動き出しています。
沖縄市の「東部海浜開発計画(潮乃森)」では、健康医療施設、宿泊施設、商業施設、人工ビーチ、多目的広場、マリーナなどが整備される計画です。
滞在型観光を推進する施設を整備することで、国内外からの多様な宿泊ニーズに対応することを目指しています。
また、沖縄本島中南部地域では、人口集積エリアとの近接性、機能性、利便性に加え、安心・安全性を兼ね備えた都市型オーシャンフロント・リゾート地の創出が期待されており、那覇空港と北部地域との接続性を高め、県土全体の発展に寄与すると考えられています 。
こうしたインフラ・施設整備の進展は、観光業界で活躍する人材ニーズを一段と高める要因にもなっています。
[参照:関西大学プレスリリース(宮本勝浩 関西大学名誉教授および 大阪府立大学 王秀芳客員研究員による試算)、国土交通省『那覇空港滑走路増設事業の供用について』、那覇空港ビルディング 中期経営計画PDF、沖縄市『東部海浜開発計画(潮乃森)』]
沖縄観光産業の今後の展望とキャリアチャンス
沖縄観光業界の中長期的な成長展望
沖縄の観光業界は、中長期的に見てさらなる成長が見込めます。
特に、インバウンド市場の回復は第一章でもご紹介した通り、その成長を大きく牽引する可能性があります。
また、沖縄県は観光産業の将来像として「世界から選ばれる持続可能な観光地」を掲げ、観光客数だけでなく、延べ宿泊者数(人泊数)と観光収入の増加を重視する「量から質」への転換を推進しています。
沖縄県では、2025年度の観光収入を初の1兆円台となる1兆56億円、入域観光客数を過去最多だった2018年度を上回る1,040万人とする目標を立てました。
第6次沖縄県観光振興基本計画においては、人泊数4,200万人泊、観光収入1.2兆円という具体的な目標を設定しており、この目標達成のために人や社会・環境に優しい「エシカルトラベル」の推進や、沖縄観光の約90%を占めるリピーター層に対するターゲットマーケティングの強化が進められています。
ミドル~ハイクラス人材の転職市場と具体的な職種
こういった沖縄の観光業界における「量から質」への転換と大型プロジェクトの進行は、ミドル~ハイクラス人材に対する新たなニーズを生み出しており、企画、マーケティング、DX推進といった分野での専門性の高い人材が特に求められています。
異業種からの参入可能性も高く、特にIT、コンサルティング、マーケティング、あるいはサービス業全般で培った経験やスキルが活かせる場面も増えています。
例えば、
- ホテル総支配人
- 宿泊部門マネージャー
- セールス・DXコンサルタント
- ホテル向け SaaS カスタマーサクセス
などが挙げられます。 観光産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やデータ活用が進む中で、IT・コンサル・マーケティング出身者が力を発揮できる求人が増えており、生産性向上と顧客体験価値の最大化を目指す動きが見受けられます。
また、これらの職種や管理職、マネージャー職等は、データ分析能力、デジタルマーケティングの知識、そして観光業界のビジネスモデルへの深い理解が必要とされます。
一章の「観光人材の不足とスキル転換」でもお伝えしたように、沖縄県内の観光関連事業者は正規雇用において人手不足を感じる状況が続いており、ミドル~ハイクラス人材にとっても十分なチャンスが広がっています。 この背景には、量から質へ舵を切った業界が、戦略思考で価値を創出できる人材を強く求めている という事情があります。
異業種で培った専門知識や経験を持つミドル~ハイクラスのビジネスパーソンにとっては、沖縄の観光産業に参入し、その変革をリードする絶好のタイミングではないでしょうか。
こうした組織の生産性向上と人材育成を担う人材の需要は、今後さらに高まる可能性が考えられます。
沖縄観光業界で働く魅力とキャリア形成
沖縄の観光業界で働く魅力は、単なる職業に留まらず、「沖縄そのもの」と日々深く関わりながら働ける点にあります 。特に、地域とのつながりや沖縄らしい文化を大切にしたい人にとって、観光業は「暮らしと仕事の垣根が小さい」理想的な働き方とも言えるでしょう 。
キャリア形成の観点では、沖縄の観光業界は多様な選択肢があります。那覇市周辺だと、空港やモノレールなどの交通インフラが整っており、通勤しやすい職場も多く、全国資本の大手ホテル・企業も多いため、福利厚生や正社員登用制度が整っている傾向があります。
また、観光業の特性上、英語や中国語などの語学力が強みになる職場も多く存在します。宮古島のような高級リゾートでは、総支配人や宿泊支配人といったミドル~ハイクラスのポジションで、高額な年収が提示される求人も見られます。
高付加価値化が進む今、専門性とマネジメント能力を備えた人材の市場価値は確実に高まっているのです。
[参照:沖縄県『第6次沖縄県観光振興基本計画』求人情報サイト(おもてなしHR、リクナビNEXT、doda、ジョブアンテナ沖縄)]
まとめ:観光業界の変化=求められる人材像の変化
2025年、沖縄の観光業界は成長の新たなステージに入り、ジャングリアをはじめとする大型プロジェクトが注目を集めています。業界全体では「量から質」への転換が進み、企画・マーケティング・DXなど専門性のある人材のニーズも高まっています。
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