BLOG ブログ
BLOG

仕事と子育て、仕事と介護の両立――。
働くすべての人に関わる大切なテーマですが、今なお多くの女性がこの課題に直面し、悩みを抱えているのも事実です。

そんな中、幼い双子を含む4人の子どもを育てながら、未経験職種にチャレンジし、上場企業への転職を実現した女性がいます。

2024年9月、KDDIグループである沖縄セルラー電話株式会社に入社した新屋景子さん。現在は営業職でプロジェクトマネジメントとして活躍しています。

「沖縄に貢献したい」との思いを胸に、自分らしい働き方とライフスタイルを実現するため、あきらめず、しなやかにキャリアを重ねるその歩みには、人生を主体的に切り拓くヒントが詰まっています。

転職をサポートした株式会社レキサンの長濱雅徳コンサルタントが、新屋さんと再会し、女性のキャリア、そして未経験職種への挑戦をテーマに語り合いました。
※本記事の内容は、2025年4月取材時点の情報に基づき構成しています。

 

転職のきっかけは、「子どもが4人に増えたこと」

(沖縄セルラー電話株式会社で活躍中の新屋景子さん(右)と語り合う、株式会社レキサンの長濱雅徳コンサルタント)

長濱:新屋さんが転職活動をスタートされたのは、双子ちゃんの出産・育休取得後、復職間もないタイミングでした。しかも前職では時短勤務だったのに、転職後はフルタイム勤務を選択。周囲の皆さん、驚かれたのでは?

新屋:チャレンジングな選択ですよね(笑)。でも、子どもが4人に増えたことが転職を考えるきっかけになりました。前職の勤務地が自宅から遠かったこと、さらに子育てにお金がかかるため収入を上げたかったことが理由です。そのためには、スキルアップとキャリアアップが必要でした。

見える景色を変えたい

長濱:過去2回の転職理由もキャリアアップでした。その原動力はどこに?

新屋:例えば、組織の中で職位が上がり、スキルやキャリアが高まると、きっと見える景色が変わると思うんです。「どんな景色が見えるんだろう、どんな自分になるんだろう」と想像するとワクワクするんです。目標に向かって努力し、1つ1つ達成していくことも好きなんです。

出産・育児で気づいた仕事の面白さ


(とっても可愛い1歳10ヶ月の双子ちゃん。「元気が良すぎて外出も大変(笑)!」と新屋さんは楽しげに語ります。)

長濱:かっこいい! その思いは以前からお持ちでしたか?

新屋:子どもを授かる前は、それほど仕事に対するモチベーションは高くありませんでした。出産・育児を経験して、仕事の面白さに気づいたんです。「人とコミュニケーションをとりながら自分に求められるタスクを達成していくって、なんて楽しいんだ」と…。そして「家で子育てだけするのは無理だ〜」とも(笑)。外で働きながら子育てすることで、仕事が息抜きになり、家では子どもとの時間がリフレッシュになる、ちょうどいいバランスが取れるようになりました。

長濱:スイッチの切り替えができるんですね。

新屋:はい。出産前は仕事の悩みを家に持ち込むこともありましたが、子どもがいるとそんな余裕はありません。まして双子を出産してからは、日々の生活を回すのに全力投球です(笑)。

長濱:仕事への向き合い方が変わったんですね。

新屋:今は「仕事させてくれてありがとう〜」という感謝の気持ちでいっぱいですね。家族にも、会社にも、保育園にも。

 

「働くことは楽しい」と伝えたい

長濱:その思いはきっと、お子さんたちや周囲の方々にも伝わりますね。

新屋:そう願っています。子どもを保育園に預けることに罪悪感を持つ女性もいますが、私は保育園に預けたほうが子どもにとってハッピーだと思っています。母親自身が働くことに罪悪感を持たないほうが、子どもたちも将来、働くことに前向きになれると思います。

長濱:家庭ではできない体験もたくさんできますしね。

新屋:そうなんです。だから私は、子どもたちに「お仕事は楽しいよ〜」と伝えています。

「両立」という言葉への違和感

長濱:若い人からは「仕事と子育ての両立なんて無理ゲー」と聞くこともあります。

新屋:「両立」という言葉がよくないんじゃないかな。「どちらも完璧にしなければ」と聞こえます。私はそもそも両立なんて目指していません!

長濱:なるほど〜。ハッとさせられる視点です。

新屋:完璧を目指さなくていい。仕事と子育てを足して100%になればいいし、むしろ100%を目指す必要はないと思っています。性別に関係なく、誰もが家庭と仕事を無理なく続けられる社会になってほしいですね。

無理はしない、自分を大切にする

(上のお子さん2人を連れてシンガポール旅行へ。「旅行が一番の趣味です!」と新屋さん。)

長濱:日々の生活で大切にしていることは?

新屋:無理をしないことですね。それから、何よりも自分のケアを大切にしています。睡眠や運動も意識していますし、マッサージや美容院、友人との飲み会など楽しい時間を持つことも譲りません(笑)。

長濱:働きながら4人のお子さんを育てる中で、感じていることは?

新屋:優秀な人や真面目な人ほど、仕事か家庭のどちらかに重きを置きがちですが、「もっと長い目でキャリアを描いてもいいのにな」と思うことがあります。子どもが幼い期間はきっとあっという間。仕事は何歳になっても新しいことに挑戦できますから変化を恐れずに楽しんでほしいです。

「自分には無理」から、「自分にもできる」へ

長濱:そのメッセージを、多くの人に届けたいですね。

新屋:実は…沖縄の女性は謙虚な方が多く、「自分には無理」と思い込んでいる方が県外に比べて多い気がします。もったいないです!

長濱:沖縄の経営者の皆さんからは、「優秀な女性が多い」との声をよくお聞きします。

新屋:小さなことでも行動すれば、現状は変えられます。まずは私自身が頑張ることで、「自分にもできる」というメッセージを広げていきたいです。そして一人でも多くの沖縄の女性がチャレンジできるようサポートすることが、今後の私の使命だと思っています。

「まずは動いてみる」という行動力

長濱:新屋さんの今回の転職は、未経験の営業職へのチャレンジでしたね。

新屋:そうです。沖縄セルラー電話の働きやすさや待遇の良さは友人から聞いていたので興味はありましたが、営業経験がなかったので「無理かな。でも気になるな」と思って、長濱さんにご相談したんです。

長濱:そこが新屋さんの素晴らしいところです。「無理そうだから動かない」ではなく、まず動いてみる行動力がある!

新屋:確かに、分からないことは、すぐ人に聞くタイプです。

長濱:新屋さんから「沖縄セルラー電話さんはどうでしょう?」と聞かれたとき、「いけるかも!」と直感しました。

新屋:背中を押してもらって思い切ってエントリーしました。長濱さんには感謝しています!

未経験でもチャンスをつかめる

長濱:転職活動において、経験がある職種に応募するのは王道ルートです。でも、未経験でも、業界や業種によってはフィットすることがあります。国家公務員経験があり、公的機関に近い業界でキャリアを積んだ新屋さんなら、行政向けの営業職ができるはずだと思ったわけです。

新屋:ありがとうございます! 最近40歳になったのですが、心から楽しいと思える仕事に出合えたことが何より幸せです。

長濱:見える景色が変わりましたか?

新屋:はい。もっと早く営業職にチャレンジしていれば良かったと思うくらい! 毎日目まぐるしく過ぎる日々ですが、心から楽しんでいるからかこの1年間は風邪を引いていません(笑)。

「自分の人生は、自分が主役」

長濱:新屋さんには、自分の望む未来を描き、それを達成するために行動する「実現力」が素晴らしいです。

新屋: 嬉しいです! 夫や両親、兄妹の多大なサポートがあって今の生活が成り立っているので、心から感謝しています。でも確かに、長濱さんのおっしゃる通り、私は自分がやりたいことへの努力は惜しみません。自分の人生は、自分が主役ですから!

長濱:まさに「実現力」「巻き込み力」ですね。新屋さんの経験は、子育て中の方や未経験職種に挑戦する方にとって、大きな希望になると思います。働く女性のロールモデルとして、これからもご活躍を祈念しています。

貴重なお話をありがとうございました!

(文&写真 佐藤ひろこ)

対談を終えて:“自分らしく働く”ために、今できる小さな一歩を

今回のインタビューを通じて、「未経験でも可能性はある」「子育て中でもキャリアは築ける」ということを、具体的な事例として感じていただけたのではないでしょうか。

また、「キャリアとは?」という意味の解釈に自分なりに改めて学びが生まれ、幅が広がりました。

今までは、人それぞれ目指す一等星(なりたい姿、ありたい姿)があり、そこに向けて経験を積んでいくことがキャリアというイメージをもっていました。それも一つの正解だとは思うのですが、今回イメージしたのは「土」でした。

目指す先やどんな花を咲かせたいかは決まっていなかったとしても、目の前のことにしっかりと向き合っていくことで、その日々の連続が積み重なり、水や栄養がいきわたり良い土になっていく。

それが結果として未来のどこかで自分すら予期しなかった形でつながることもある。だからこそ、「無駄だ」と思わず、まずは目の前のことに向き合ってみる。そして違和感を感じたら、素直に手放してもいいのかもしれませんね。

もちろん、彼女の場合は「まずは動いてみる」という行動力、そして「自分の感性・感情(違和感)に素直になる」という確固たる意思をベースに、職選びと与えられた仕事をしっかりとこなしてきたこと。

完璧を目指さず、無理をせず、自分らしく生きる柔軟性があること──これらの自分軸・価値観を実践してきたからこそ、未経験ではあるもののフィットする仕事に出会えた、新たなキャリアの扉をひらくことに繋がったと言えるでしょう。

今回のブログを読んでくださった、子育て・仕事に悩んでいるすべての人へ。

100点満点を目指さなくてもいい。いま感じているその違和感や希望に、どうか正直になってまずは小さなところからでもいいので、アクションしてみてはいかがでしょうか。

小さな一歩の積み重ねが、やがて自分らしい未来を形づくることに繋がるかもしれません。

私たち転職コンサルタントは、皆さんのこれから踏み出す新たな一歩を応援しています。願わくば、沖縄での移住転職のお手伝いができれば幸いです。(コンサルタント:長濱雅徳)

 

当社が運営しております、リージョナルキャリア沖縄に【リージョナルHERO】という転職を成功させた方のエピソードを載せた記事を紹介しています。

■新屋景子さんの転職成功者インタビュー
子育てもキャリアも諦めない。4児の母が未経験の営業職へ転職成功。はこちらより↓
よろしければご一読ください。

リージョナルHERO 転職、転職エージェント

この記事を読んでいただいた皆さまの中で、「沖縄を良くしたい」「大好きな沖縄で思いっきり働きたい」という方は、ぜひお話を聞かせてくださいませ!理想の沖縄転職に向けて全力でサポートさせていただきます。

長濱 雅徳 Nagahama Masanori
コンサルタント
沖縄県那覇市生まれ。神奈川大学卒業後、教育関連の仕事に従事。東日本大震災をきっかけにNPO法人カタリバへ入社。岩手県をはじめ、東京や島根で経験を重ねる。結婚・出産を機に沖縄にUターンし株式会社レキサンに入社。3児の父であり、趣味は料理。レシピ動画を参考に作った料理は家族からも高評価である。

カテゴリー

コンサルタント

SNSをフォローする

Facebook Twitter